
リーダーの「育成」or「交代」を見極める7つの質問
こんにちは!
OGSシニアコンサルタントの深石です。
前回のnoteでは、
「ビジョナリーカンパニーZERO」に記されている
本質要素をいくつかご紹介させていただきました。
今回は、その中でも特に重要な要素の一つとなります、
現在任用しているリーダーを
「育成するのか?」
または
「交代するのか?」
を見極めるための「7つの質問」についてご紹介します。
誰をバスに乗せるのかー。
は、非常に重要な問いになりますが、
誰をどの座席に座らせるのかー。
も、事業成長を見出す上で
上記と同等に重要かつ本質な問いになります。
つまり、昇格基準や社内規程を満たしたメンバーを
ある役職やポジションに任用したからと言って、
そのメンバーが組織にとっての適正なパフォーマンスを
出せていない場合(または、出さない場合)は、
さらに続投(育成)するのか、交代させるのか、を
経営者は厳格に見極めなければ全体最適は図れません。
■7つの質問とは?
では、書籍に記されていた7つの質問をご紹介します。
※「育成か交代か」という難問に直面した際の質問
①この人物を重要ポストに留めているために、
他の人材が会社を去り始めていないか。
②価値観の問題か、意思の問題か、能力の問題か。
③「窓」と「鏡」をどう使うか。
④仕事を「業務」と見るか「責任」と見るか。
⑤ここ1年で、この人に対するあなたの信頼は高まったか。
⑥バスの問題なのか、座席の問題なのか。
⑦この人物が退社したら、あなたはどう感じるか。
この質問を使えば必ず正解が出る、必ず見極められる、
という万能なチェックリストではないですが、
この7つの質問は極めて本質を射貫いていると思います。
また、これは、経営者や経営陣も、自分自身がどうなのか、を
自問自答していく必要がある重要な問いではないか、と
個人的に考えています。
■OGSは「7つの質問」をどう解釈しているのか?
そして、この質問一つ一つに対して、
OGSとしての見解も添えていきたいと思います。
まず一つ目の質問。
①この人物を重要ポストに留めているために、
他の人材が会社を去り始めていないか。
これは、重要なアラートの一つだと思います。
優秀な人財は、優秀な人財と一緒に働きたいと強く思うため、
水準や次元や視座が低い人が重要ポストに居続けた場合、
自分が退社をすることで意思表示をする可能性があります。
また、さらにクリティカルなこととしては、
高い成果は上げ、会社のコアバリューに反する行動をする人を
会社が許容していると、コアバリューを支持している人は失望し、
会社を辞めることもあり得るということです。
②価値観の問題か、意思の問題か、能力の問題か。
これは交代の判断をする際の順番を示唆しています。
まずは重要ポジションの人間が、会社の価値観(コアバリュー)を
体現できない場合は、即交代した方が良いと思います。
次に、価値観は問題ないが、職務に必要な能力が不足してる場合、
その能力を何としても習得しようという意思がある場合は
交代させなくてもいいですが、その意思がない場合は
交代させなくてはいけません。そして最後が能力となります。
③「窓」と「鏡」をどう使うか。
これはビジョナリーカンパニー②でも記述がありますが、
「成功した際は窓を見て、仲間や環境に感謝ができるか」
「失敗した際は鏡を見て、自分の責任として捉えられるか」
ということです。
人は往々にして承認欲求があり、責められたくない生き物ですので、
成功した時に鏡を見て、失敗した時に窓を見てしまいがちです。
ただ、重要ポジションの人物がこの思考なら交代ですね。
④仕事を「業務」と見るか「責任」と見るか。
これも非常に重要な問いだと思います。
目の前の業務(手段)に囚われすぎて、その業務の先にある
本来の責任(目的)を全うしない(見失う)人間であれば、
責任は全うせずとも「自分の業務は実施した」という思考になり、
部分最適や利己主義が横行してしまうことになります。
⑤ここ1年で、この人に対するあなたの信頼は高まったか。
これも、純粋かつ素直に、自問自答した際に、
その対象者に対する自分の心や気持ちがどう反応するかを
確認した方が良いと思います。
⑥バスの問題なのか、座席の問題なのか。
これは役割設定や適材適所、人員配置の部分ですが、
その人物の能力や特性に合わない役割を設定していないか、
または、そのポジションに求められる任務や職務が、
その人物の能力を大きく超えてしまっていないかを
しっかりと確認する必要があります。
⑦この人物が退社したら、あなたはどう感じるか。
そして、最後の質問がこれになりますが、
これも純粋に自問自答してみることが必要で、
もし、内心ほっとするのであれば、
もうバスには必要ない人物の可能性が高いと言えますし、
逆に心底がっかりするのであれば、
バスに必要な人物である可能性が高い、ということです。
いかがでしたか?
これがOGSの考える「7つの質問」に対する見解です。
一つ一つの質問に対して、深く思考しながら向き合うことで、「育成するのか、交代させるのか?」その本当の答えが出てきますね。
■「7つの質問」の解を出した後に必要なものとは?
しかし、「7つの質問」に対する解を出した後にも、
必要な対応というものがあります。
それは、誠実な対応です。
重要ポジションにいる人財を、
「育成するのか、交代するのか」という問いは、
非常に難易度が高いですし、
解を出した後も、本人に対して誠実な応対が求められます。
その際、
「厳格であれ、非常になるなー」
と書籍に記されていますが、まさにこの通りであり、
交代か否かは客観的判断が求められますが、
その後の応対に関しては、
本人への思いやりや敬意を絶対に忘れてはダメですね。
ということで、今回のnoteは、
「育成か交代か」を見極める7つの質問について
一緒に考えてきましたが、いかがでしたでしょうか?
前回のnoteでもお伝えした通り、
最高の人財がいなければ、最高のビジョンに意味はありません。
ぜひ、今日ご紹介した7つの質問を活用していただき、
「バスの重要な座席に、ふさわしい人財が座っている状態」を
一緒に追求していきましょう。